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2009年12月02日
国営放送ドラマ「坂の上の雲」第一回「少年の国」を見て
「坂の上の雲」を見た。
素晴らしい出来だと思う。
大河ドラマが二年連続で糞みたいな内容だっただけに、一層際立つのかも知れないが、実に面白い。
僕の学生時代の卒業研究のテーマの一つに、瀋陽の都市計画を研究するものがあった(瀋陽は日露戦争当時奉天と呼ばれ、奉天会戦は日露戦争最後の会戦である)。つまりは、もともと興味があったテーマであるし、僕自身は過剰に評価している可能性がある。しかしその事を差し引いても、このドラマの魅力には、たっぷりとお釣りがくるだろう。
もっくんといえば、「バロー・ギャングBC」や「ラッフルズホテル」を見た事あるが、最早その頃のイメージではなく、今では堂々とした役者である(「Shall we ダンス? 」でも然う思ったが、あれは出番がホンの少しだったので……)。青年の役でもまだ遜色がないのは、役者としての力量だろう。
高橋是清役の西田敏行には、是非今又、天蓬元帥を演じて欲しいと思える力強さがあり、ちらりと出ただけなのが勿体無くも感じる。松たか子はそんなに好きな女優さんではないのだが……それでも可愛らしく感じた。
役者だけではなく、衣装の汚し具合だとか、町の見せ方だとか、安っぽさがなくて、リアリティがある。司馬遼太郎の世界が、そのまま映像になった様だ。
しかしこのドラマ、素晴らしい出来であるが故に、懸念がなくはない。
世の中には、ドラマがフィクションであるという事を、理解していない人もいるのだ。
益々「天才軍師、秋山真之」などという虚構が広まりはしまいか?
然う寸考して、「日露海戦の」と題し2007/02/27(火)に書いた自身の日記を思い出した。
短文なので、全文引用してみる。
真の主役は、嶋村速雄と海兵七期の面々である。秋山の役割は小さく、語り継がれる多くの事はフィクションや他人の手柄に過ぎない。
日本海海戦時の連合艦隊戦策(連隊機密第二六号)も、本来嶋村の仕事である。無論これは、秋山の才を否定するものでは無い。
ただ、「軍事の天才秋山」というのは、少々評価が過ぎる様である。
勿論「日露海戦」の話題であるから、ここでいう「秋山」は「秋山真之」を指す。
このあたりの話は、『坂の上の雲』の真実という本に詳しい。著者は、元防衛省防衛研究所戦史部主任研究官。与太なんぞではないので、是非読んで戴きたい。
と、司馬遼太郎が嘘を作品に書いた事を述べたが、これは司馬遼太郎を非難しての事ではない。
寧ろ逆に、卓抜した技を褒め称えるものである。
彼は坂本竜馬や新撰組の一般的なイメージもつくりあげたが、それはそれだけ作品にリアリティがあった、という事だろう(現代人の持つそれらのイメージは、俗に言う「司馬史観」によって作られた虚構であるが、その事を知らぬ人は多い)。
小説というのは抑々フィクションなのであるから(無論TVドラマも)、それに騙される(というか、史実と信じる)方が愚かというべきだ。嘘とか本当とかは先ず抜きに、その物語を楽しめば良いのである。
本当にサリエリがモーツアルトを殺したのか? それと映画「アマデウス」の評価は、全く別の問題なのである。
尚「嶋村」は、「島村」と表記される事が多い様だ。僕の持つ資料でも、多くが「島村」と書いている。興味を持たれた方は、検索の際「島村速雄」でぐぐってもらいたい。今回のドラマでは、舘ひろしが演じるのだそうだ。
楽しみに待ちたい。
記述者 strap : 2009年12月02日 15:33
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いわずと知れた、三国志漫画の最高峰です。香港人の陳某氏が香港・台湾の雑誌で連載をしており、世界的な人気が有ります(これはその日本語翻訳版です)。
主人公は司馬懿と燎原火(趙雲)で、三国志物語を大胆なアレンジで描いているところが人気の少年漫画です。史実とは年齢が合わない等、大幅に改変された設定や追加されたキャラクターも沢山いますが、それが気にならない(というよりも、寧ろそこが良い)程面白い漫画だと思います。
三国志 全8巻セット (ちくま学芸文庫)
ちくまの全訳三国志の文庫版を、セットで売っています。「三国志」は、西晋の陳寿が記した歴史書で、三世紀(つまり三国志の時代に近い年代)に書かれた、正史のうちの一つです(正史は「二十四史」と言う様に、複数存在します。「後漢書」や「晋書」も正史の内の一つです)。この訳本では、裴松之という人によって付けられた注釈も、同時に収められています。
尚「正史」とは、「正しい歴史」という意味ではなく、「ある国家によって認められた歴史書」の事で、三国志は正史の中でも特に評価は高い部類に含まれます。紀伝体という記述方法で書かれており、三国志は本紀(皇帝の伝記と、その治世の記録の事)と列伝のみで書かれています。
主役とも言える曹操の事は、主に魏書の「武帝紀第一」という部分に書かれています。曹操の息子の曹丕が「文帝紀第二」、孫の曹叡が「明帝紀第三」、そしてそれに続く「三少帝紀第四」の四つの部分が、「本紀」の部分です。
三国志演義の主役である劉備は、蜀書の「先主伝第二」、諸葛亮は「諸葛亮伝第五」、関羽や張飛は「関張馬黄趙伝第六」という列伝部分に納められています。
「魏志倭人伝」と俗にいう文章は、魏書(魏志)の「烏丸鮮卑東夷伝第三十」という場所に収められています。
三国志演義は三国志演義で面白いのですが、そのモチーフとなった史実を知る為には、先ず三国志を読むのが良いと思います。
読み易い文庫版で、入門用に最適ですよ。