2008年03月26日
弱点の無い人は面白みが無い
最近懐かしくなってYAWARA!を読み直した。
実に面白い漫画だと思う。
驚くべき事であるが、この漫画の主人公は登場時から最終回まで、ずっと「最強の存在」である。
体重が軽いと言うハンデはあるが、しかしその体重差をものともしない圧倒的な技術力を持っている。ライバル達が強くなったとしても、それを上回る強さを持っている。ブランクがあろうが全く関係の無い強さを持っている。寝技は苦手であるという描写もされるが、それは飽くまでも立ち技と比較しての話であって、その寝技も通常の一流選手を遙かに凌駕する強さを持っている。
柔道漫画であるが、そこでは主人公が技術的に成長する過程は全く描かれない。その分主人公の友人達が成長する物語を書く事によって、成長のパートを補っている。
却説、こう強すぎては主人公はピンチにならないのか?
実はそうではない。
この様に強過ぎる主人公もピンチになる。
そうでなければ盛り上がらない。
この主人公、実にメンタルが弱いのだ。
鳥渡した事で試合に集中できなくなってしまう。
そして怪我をしたりと、技術的に劣るライバル達のレベルに降りていく訳である。
こうやって見ていると、矢張りキャラクターに弱点が無いのはいかんなぁと、改めて感じさせられる。ウルトラマンも3分間しか戦えないからこそ、ハラハラするのだ。魔戒騎士なら99.9秒だ。危ない目をしたケイシー・ライバック兵曹にですら「優しさ」という大きな弱点がある。不死身のジークフリートにも、菩提樹の葉が張り付いていたと言う設定がある事はご存知の通りだ。
これは主人公側だけに限らない。
例えば主人公の敵やライバルも、「(技術的に)圧倒的に強い」という設定ならば、弱点を設けていた方が良い。でなければ、「主人公の方が(技術的に)強い」という勝ち方をせざるをえず、実に味気ないのだ。例えば「技術で劣る主人公がメンタル面で勝った」の方が、カタルシスがある。
吸血鬼に多くの弱点がある事はご承知の通り。
これは物語を扱うどのジャンルにも言える事だろう。
まぁ、「(技術的に)最強の存在」という物自体を僕自身は書く心算は無いが、しかし物語りはピンチがあるからこそ面白く仕上がるというものだろう。そしてそのピンチ(若しくはチャンス)は、「最強の存在」に弱点がある事によって生まれる。
ついでにニコニコから懐かしい映像をw
本書いてたのは結城凱の生みの親とも言うべき井上敏樹なんだよね。
投稿者 strap : 2008年03月26日 21:14
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