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2008年03月25日
少しだけ公開
現在建安十三年を舞台にした作品の第一回と第二回を書き終えました(この年は黄祖と劉表の死亡が発端で世界が大きく動きますから、荊州が歴史の中心であるかの様に錯覚してしまいます)。
二回までを書き終えた今は、僅かに二百枚足らずの作品ですが、高々この程度の量に一年近くをかけてしまいました。
今日は第三回を書いていたのですが、僅かに二行書いてお仕舞い。
蝸牛の様な遅さです。
却説、第三回を書く前に、第三回と第四回の間に入る幕間劇を書きました(三日もかかって)。
その部分をちょっぴり公開して見ます。
「近接防御火器系統」は「CIWS(Close In Weapon System)」を和訳したものです。
全翼機のアスペクト比は「B-2」とほぼ同じですが、全幅はその倍以上(オリバー・ハザード・ペリー級の全長位)あります。二乗三乗の法則から、質量に対し翼面積が小さい事は明らかですが、そこは悪の組織の科学力と大目に見てください。
モデルは上記の航空機、軍艦の他に「パップラドンカルメ」、「オケアノス」などです。
艦種は「作戦指揮仕様型亜音速万能空中戦艦」。CIWSの極冠(polar cap)という名称や、主砲の奥林帕斯山(オクリンパツスザン Olympus Mons 火星にある山の名)から解かる様に、火星がモチーフです。艦名瑪爾斯(マジス Mars)はローマ神話の戦神で火星の名の由来で、火群は「ほのむれ」、つまり「ほのお」(司馬炎)を指しています。
*****
新野の北北東七十里の上空。
高度一万八千呎。
宙に静止する巨大な全翼機。全長二十四丈、全幅六十丈。
前進翼を持つ飛行型改造人間、音壁破りの趙威孫がその哨戒に当たっている。
丹漆を塗ったかの様なそれは、熒惑星の決戦兵器であり、司馬八達が坐乗する事を目的に建造された、戦闘指揮用の旗艦である。熒惑星の世界征服計画「火群の器」の中核を担う戦力であり、熒惑星の主戦力と言っても過言ではない。
艦名を「瑪爾斯」と言う。
後方に飛行怪人を二体同時に運用する事が可能な甲板を持つ母艦であり、又強力な武装を持った対地攻撃機でもある。艦体下部には、単装速射炮一門と、噴進炮を二基。艦体中央上部には、極冠と呼ばれる六炮身の近接防御火器系統が設けられている。蜂窩構造の扁平なその姿は、神仙達の探信儀に察知される事を困難にする効果があり、この事で鬼出電入の作戦行動が可能になる事を計算された設計だった。当然気息も殆ど漏らしてはいない。
百年の歳月を掛けて造られたそれは、飛行艦と呼ぶには余りにも航空機然としていたし、航空機と呼ぶには余りにも鈍重な印象で、戦闘艦としての機能を期待されてもいる。実に神仙の常識をも超越した、奇天烈な飛行体だった。
この「作戦指揮仕様型亜音速万能空中戦艦」という種別の兵器は、「火群の器」の準備作戦である南部制圧計画、通称「師作戦」で初めて実戦投入される予定であり、その後に続く関中侵攻計画、通称「昭作戦」でも主力を担う事を期待された兵器である。しかし飛行実験は数年前に済ませていたものの、未だ艤装が済んだばかりの艦であり、攻撃兵装の試験は済ませていない。それで今回の飛行は、艦首に備え付けられた主炮の試射をしようというものであった。
主炮である口径三尺の電子炮奥林帕斯山は、電荷した粒子を磁力に仍って高速に投射する兵器で、威力は絶大だが、直進させる事が出来ず、計算が煩雑な欠点がある。それで先ずは、静止した物体を破壊しようと、七十里先の城砦を目標に定めていた。
既に加速器は稼動しており、測的も完了している。最早全て発射位置であり、何時でも発炮が可能な状態だった。
この艦は、司馬卭の宿執が具現化した姿であり、全てを蹂躙する為に建造された悪の象徴である。破壊と粉砕の為に造られた法術の結晶であり、攻撃の為だけに創造された、畏怖の対象物。他を圧倒し、絶望を促す、駆逐の為の兵械。その絶対的な力を持つ悪が今、真に目覚めようとしていた。
音壁破りの趙威孫が高度を上げ、傍を離れる。
南南東を向くその艦首表面が強く光ると、桜色の光の帯が伸び、目標が目映く輝く。
閃光と共に、磚石で築かれた城壁は赤く熱し融けた。
巨大な爆発をし、地は巻き上げられ、高く爆煙が立つ。百里四方に迄爆鳴が轟いた。爆然は爆風を起こし、爆圧は地を駆け周囲を薙ぎ払う。
静寂が戻ると、城市の北半分が一瞬にして蒸発した事が確認出来た。
投稿者 strap : 2008年03月25日 03:48
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