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2006年09月08日
連載作の訂正案内
連載中の「墓石村事件」ですが、以下の部分を削除し、大幅に変更しました。
「ラッキーストライク。懐かしいなあ」
と、タコスを摘みながら広瀬さんが言った。
「何がだい、兄ちゃん」
マスターの声は、低くかすれている。喉のポリープ手術か何かの影響だろうと、僕は感じた。
「私は工学部の出身なんです。KITという工科大学はご存知でしょう?」
KITは日本のMITと言われる程の研究機関なんだけど、一般的な認識としては福岡県の三流私立大学だ。
(--中略--)
「そうだった。あんたあの男の、先輩って話だったね」
マスターはゆっくりと、そう言った。
「大学に、マールボロやラッキーストライクを吸う学生は、多かったんですよ。キャメルやキャビンと並んで多かったんです」
ああ、工学部ではそうなのかも知れない。タバコは国によっては、新聞やTVでは広告する事が出来ないんだそうだ。だから、レーシングカーのスポンサーになったり、ウィンストン・カップやキャメル・トロフィーの様な賞を作ったりしてるんだね。特に一九六八年に蓮のマークの車が、ゴールドリーフってタバコ会社の広告を車体に書いてからは、グランプリ・レースでタバコ会社がスポンサーとなるケースが増えたんだ。今も、マイルドセブンなんかがスポンサーになってるよね。
さて、僕の大学時代にかけては、グランプリ・レースではマールボロ・マクラーレン・ホンダというチームが物凄く強くって、とても人気があったんだ。だから車好きの集まる工学部ではきっと、マールボロを吸う学生は、広瀬さんの頃よりももっと多かっただろう。ちなみに、広瀬さんが大学院に入った年は、本邦のホンダ社がロータスにエンジンを供給し、日本人ドライバーの中嶋悟がそこに在籍していたんだ。だから、チームスポンサーだったキャメルも、当時凄い人気があったんだって。
「院で隣の研究室だったバイク好きのユウスケ、彼は祐祐と漢字で書くんですが、彼もラッキーストライク吸っていましたから、懐かしく感じたんです。彼は当時SUZUKIのバイクに股がっていまして、それはRE5という、ロータリーエンジンを載せたものでした」
バイクと四輪という違いはあっても、同じロータリーエンジンを積んだ車のオーナーとして、話が合ったんだろう。
投稿者 strap : 2006年09月08日 23:59