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2006年06月30日

シナリオハンティング(2) 曹豹

シナリオハンティング(1)からは随分と間が空いてしまったが、又これについて書こうと思う。

曹豹の名を出した事について。

先日僕は、英雄と名将の立つ風景という作品を書き上げたのだが、ここに

そう考え先ず第一に思い当たったのは、冀州牧韓馥の配下、潘鳳であろうか。潘鳳であれば、或いは勝てるかも知れぬと思う。その振るう大斧は、見る者を圧倒し、そしてその大斧で絶てぬ物は何も無い。この男を出せば、必ず勝てると、陳琳は確信した。他に探すならば、奮武将軍曹操の司馬、夏侯惇と、徐州刺史陶謙配下の歩隊将曹豹位であろう。この三人以外には見当たらないと思う。
と書いた。
この短編小説は「三国志」や「後漢書」に多くの取材をしているが、同時に三国志演義の第五回「発矯詔諸鎭応曹公 破関兵三英戦呂布」をベースとしている。
さて、その第五回「発矯詔諸鎭応曹公 破関兵三英戦呂布」に書かれた董卓に反対すると並ぶ錚々たる顔ぶれ
第一鎮、後将軍南陽太守袁術。第二鎮、冀州刺史韓馥。第三鎮、予州刺史孔伷。第四鎮、兗州刺史劉岱。第五鎮、河内郡太守王匡。第六鎮、陳留太守張邈。第七鎮、東郡太守喬瑁。第八鎮、山陽太守袁遺。第九鎮、済北相鮑信。第十鎮、北海太守孔融。第十一鎮、広陵太守張超。第十二鎮、徐州刺史陶謙。第十三鎮、西涼太守馬騰。第十四鎮、北平太守公孫瓚。第十五鎮、上党太守張楊。第十六鎮、烏程侯長沙太守孫堅。第十七鎮、祁鄕侯渤海太守袁紹
の十二番目に陶謙の名は確かにある。
しかしこの場面には未だ曹豹の出番は無いどころか、その名も無い。

では何故この場に曹豹の名を出したのか。

まぁ人気があるそうなので、名前を出したに過ぎないが、しかしそれでも根拠無く出した名では無い。シナリオハンチングに基づいてはいる。

曹豹という人は、「魏書 呂布(張邈)臧洪伝第七」の注に引く「英雄記」と「蜀書 先主伝第二」本文(と、その注に引く「英雄記」)に、僅かに記述されている人物である。これは三国志演義でいうところの第十四回「曹孟徳移駕幸許都 呂奉先乗夜襲徐郡」に当たる部分の記述だ。
他には「武帝紀」に興平元年春の記述として僅かに見られるのみである。三国志演義でも、第十回「勤王室馬騰挙義 報父讐曹操興師」に、夏侯惇を退ける将として登場するのみだ。

とはいえ、この曹豹、後世では、大変な猛将と認識されている。

三国志平話には董卓を囲む際、強過ぎる呂布に対抗できず、袁紹を中心とした諸将が困窮する場面がある。この時呂布を斬ろうと、名乗りを上げるのが曹豹なのだ。

冀王問曰、「誰人敢与呂布決戦」言未尽、見一将出、認得是徐州大守陶謙手中歩隊将曹豹。自言、「我与呂布決戦、要捉呂布」衆皆喜、上馬対陣、呂布捉曹豹。没一個時辰、敗軍回言、「温侯一合捉了曹豹」
ここでいう冀王が袁紹で、温侯が呂布の事である。
まぁ一合でやられてはいるが、呂布との一騎打ちを袁紹に許されたという訳で、その強さがわかるだろう。勇気があり、武勇に自信がある事、又皆が実力を認めている事が伺える。

こういう訳で、今回僕は三国志平話によって、猛将の一人として曹豹の名を出した。曹豹を歩隊将とするのも同様の理由からである。但し陶謙に関しては、三国志平話の「徐州大守陶謙」に従わず、「徐州刺史」とした。

尚、三国志平話によると、曹豹には張本という娘婿がいる。「安打製造機」っぽい名前。

記述者 strap : 2006年06月30日 02:54

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いわずと知れた、三国志漫画の最高峰です。香港人の陳某氏が香港・台湾の雑誌で連載をしており、世界的な人気が有ります(これはその日本語翻訳版です)。
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三国志」は、西晋の陳寿が記した歴史書で、三世紀(つまり三国志の時代に近い年代)に書かれた、正史のうちの一つです(正史は「二十四史」と言う様に、複数存在します。「後漢書」や「晋書」も正史の内の一つです)。この訳本では、裴松之という人によって付けられた注釈も、同時に収められています。
尚「正史」とは、「正しい歴史」という意味ではなく、「ある国家によって認められた歴史書」の事で、三国志は正史の中でも特に評価は高い部類に含まれます。紀伝体という記述方法で書かれており、三国志は本紀(皇帝の伝記と、その治世の記録の事)と列伝のみで書かれています。
主役とも言える曹操の事は、主に魏書の「武帝紀第一」という部分に書かれています。曹操の息子の曹丕が「文帝紀第二」、孫の曹叡が「明帝紀第三」、そしてそれに続く「三少帝紀第四」の四つの部分が、「本紀」の部分です。
三国志演義の主役である劉備は、蜀書の「先主伝第二」、諸葛亮は「諸葛亮伝第五」、関羽や張飛は「関張馬黄趙伝第六」という列伝部分に納められています。
「魏志倭人伝」と俗にいう文章は、魏書(魏志)の「烏丸鮮卑東夷伝第三十」という場所に収められています。
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