« 本邦を代表する大作家について | メイン | 三国志に仮託するという事 »

カテゴリーへ
三国志小説作品目録
三国志小説論:エントリー一覧
ブログランキング・にほんブログ村へ

2006年05月07日

荒野の七人(3)

参考:荒野の七人(1)
    荒野の七人(2)
    映画「荒野の七人」から学ぶ三国志小説の作法


荒野の七人には、忘れられない多くの名シーンがある。
無論、オープニングのイーライ・ウォラック一味の登場シーンは、映画史に残る名シーンであるし、ユル・ブリンナーとスティーブン・マックシーンの出会いのシーンは既に述べた。
科白こそ多くはないが、この映画でのマックイーンのガン捌きと乗馬は凄まじい迫力で、特に最初のイーライ・ウォラックとの接触後に行なわれる戦闘はただただ凄い(dvdでは「チャプター9 カルヴェラとの対面」)。ホーンを掴んだまま馬を走らせて飛び乗り、ウインチェスターM92の馬上片手撃ち。これが堪らなくカッコいい。勿論、イーライ・ウォラック一味のまるで障害競技の様な馬術と、チャールズ・ラング・ジュニアの撮影に因るの1.5Kmに及ぶ横移動撮影、エルマー・バーンスタインの音楽など、多くの要素がこのシーンをよりカッコいい物にしている。

さてこの映画は主人公が七人もいる映画であるので、それぞれに見せ場が用意されている。

ジェイムス・コバーン演じるブリットは、七人の侍で宮口精二の演じた久蔵に相当する役所で、圧倒的な強さを持つ(ホルスト・ブーツホルツを除く)六人の中でも、一つ飛びぬけた実力を持つ。コバーンは以後「ナイフの男」という渾名で呼ばれたという程、印象的な役であり、見せ場は多い。登場、酒場へ現れるシーン、ツーハンドで短銃を構えて逃げる斥候を射殺するシーン。
その中でも特に印象深いのが、狙撃手の人数をユル・ブリンナーが確認するシーンだ(dvdでは「チャプター10 無邪気な子供達」)。

ユル・ブリンナーさえも何処から狙われているのか解らない程の遠距離狙撃。「姿を見たか?」とのブリンナーの問いに、コバーンさえ「いいや」と答える。ここでブリンナーはコバーンに「二人位だろう」と予想を言うが、しかしコバーンは強く否定して「三人!」と。ここでブーツホルツが迂闊に飛び出し狙撃を受ける。再度コバーンが「三人」と言うと、ブリンナーも納得して「ああ」と応える(吹き替え版ではコバーンの「どうだ」という科白にブリンナーが「三人だ」と答える)
このシーン、何気なく見ていると何故ブリンナーが三人であると解ったか、という事はわからない。しかしちゃんとこれには訳がある。

先ず、敵の攻撃が「何処から狙われているのか解らない程の遠距離狙撃」であるという事を理解する事がある。その後に、敵の狙撃の銃声のタイミングを良く聞いて欲しい。解ったであろうか?
無論、徂撃に用いられている銃がレバーアクションである事も理解しておかなければならない(発砲に時間がかかる)。
二人にしては狙いが正確過ぎるし、四人にしてはその発砲が遅い。

こういった細かい事にまで気を配っているからこそ、この映画は類を見ない傑作に仕上がっているのだと思う。

投稿者 strap : 2006年05月07日 21:02

コメント

ホームページ制作・ビジネスブログ(商用ブログ)構築|福岡・大牟田