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2005年07月10日

自作解説:呉書シリーズ2) 濃醪

呉書シリーズ2) 濃醪参照)

三国志物語の魅力は、その優れた登場人物達の争いにあると思います。
そこに出てくる人々は、勇を比べ、武を較べ、その策謀を競います。
そして、己より強い者が現れた時、舞台裏に引くのです。より強い登場人物の有能を印象付けて。
ヤラレ役の代表格であり、主役級登場人物には全く適わない華雄や周瑜でさえも、優れた人物として設定されています。

畢竟するに、三国志物語における魅力的な登場人物は、例外なく武勇に秀でているか、権謀術数の人物となります。そこでは有能で無い人物など、無能と変わらぬ扱いです。


自作「呉書シリーズ2) 濃醪」では、鄭泉という人物を主役としました。この人物は、無能でこそなかった様ですが、武勇に優れた訳でも、政策に秀でた訳でも、外交が巧かった訳でもありません。三国志通俗演義を始め、僕の知る他の三国志物語にその名を見た事はありません。三国志と大宰帥大伴卿で書いた様に、少なくとも本邦ではマイナーな人物という訳ではありませんから、ただ単に、作中活躍できない不要の人とされたもでしょう(物語の登場人物は、必要があって初めて舞台に登場させられる訳ですから、ストーリーの進行上、不要な人物はなるべく出したくは無いものです。読者としても、活躍もしない登場人物を徒に増やされても混乱するばかりです)。
鄭泉は、戦場で功名を挙げたという記録も何も無いこんな人物ですが、僕はこの人物を魅力的に描こうと、呉書シリーズ1) 白沢図の前日譚として呉書シリーズ2) 濃醪を書きました。これは三国志物語のスピンオフ的作品であったから出来た事ですが、何とか巧く出来たと思っています。

記述者 strap : 2005年07月10日 04:08

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三国志群雄伝 火鳳燎原 The Ravages of Time

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いわずと知れた、三国志漫画の最高峰です。香港人の陳某氏が香港・台湾の雑誌で連載をしており、世界的な人気が有ります(これはその日本語翻訳版です)。
主人公は司馬懿と燎原火(趙雲)で、三国志物語を大胆なアレンジで描いているところが人気の少年漫画です。史実とは年齢が合わない等、大幅に改変された設定や追加されたキャラクターも沢山いますが、それが気にならない(というよりも、寧ろそこが良い)程面白い漫画だと思います。


三国志 全8巻セット (ちくま学芸文庫)

三国志 ちくまの全訳三国志の文庫版を、セットで売っています。
三国志」は、西晋の陳寿が記した歴史書で、三世紀(つまり三国志の時代に近い年代)に書かれた、正史のうちの一つです(正史は「二十四史」と言う様に、複数存在します。「後漢書」や「晋書」も正史の内の一つです)。この訳本では、裴松之という人によって付けられた注釈も、同時に収められています。
尚「正史」とは、「正しい歴史」という意味ではなく、「ある国家によって認められた歴史書」の事で、三国志は正史の中でも特に評価は高い部類に含まれます。紀伝体という記述方法で書かれており、三国志は本紀(皇帝の伝記と、その治世の記録の事)と列伝のみで書かれています。
主役とも言える曹操の事は、主に魏書の「武帝紀第一」という部分に書かれています。曹操の息子の曹丕が「文帝紀第二」、孫の曹叡が「明帝紀第三」、そしてそれに続く「三少帝紀第四」の四つの部分が、「本紀」の部分です。
三国志演義の主役である劉備は、蜀書の「先主伝第二」、諸葛亮は「諸葛亮伝第五」、関羽や張飛は「関張馬黄趙伝第六」という列伝部分に納められています。
「魏志倭人伝」と俗にいう文章は、魏書(魏志)の「烏丸鮮卑東夷伝第三十」という場所に収められています。
三国志演義三国志演義で面白いのですが、そのモチーフとなった史実を知る為には、先ず三国志を読むのが良いと思います。
読み易い文庫版で、入門用に最適ですよ。


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