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2005年06月18日

映画「荒野の七人」から学ぶ三国志小説の作法

荒野の七人カテゴリーで数度話題にしたが、「荒野の七人」は映画史上に残る屈指の名作だ。この映画と較べることが出来るアクション映画は数少ない。では、この映画の素晴らしいところは何処なのか?

無論科白も良ければ、音楽も良く、撮影技術も一級品で、役者の何気ない仕草が良い(マックイーンが多くのシーンの背景で、帽子を弄る動きの存在感は実に見事)。アクションシーンの迫力も、激発物に頼らない、本物の演技がそこにはある。しかしこの映画がパイオニアであったのは、その様なところではないだろう。

僕が考えるにそれは、この映画の登場人物達が、古い時代の西部劇とは違い、スーパーヒーローでは無いという事だ。マックイーンのTVドラマ、「拳銃無宿」も、闊達なだけでは無いガンスリンガーが主役であるが、この「荒野の七人」はそれを上回る。無論腕に覚えのある男達が主人公なのだが、皆堅気では無いという劣等感を背負って生きているし、又、自分の力の衰えを感じ怯えていたりと、人間的弱点を持ち合わせている。助けに行った村の村民達には信頼されず、裏切られて一度は盗賊の一味に敗れるのだ。作中男達は、人々に信用の無い我が身を悲しむが、それがここへの伏線となっているとも言えよう。マックイーンの演ずるヴィンは、妻子がいない自分の人生を立派なものではないと言うし、ブロンソン扮するベルナルド・オライリーは子供達に、自分は家族を守る父親の役割が担えない弱い人間だと諭す。彼らは、「本当に強い」という事が、ガンが巧く使えるという事では無いと知っているのである。従来の、ガンを巧く使える男は人々に尊敬される、という西部劇の常識をここでは破壊している。
しかしそれが故に、「荒野の七人」はアクション映画ではあるが、人物を描く場面が多く、個性的な七人の魅力を存分に引き出している。七人の個性が鬩ぎ合い、競い合い、そしてお互いを高めあって、西部劇というアクション映画を、一流の映画へと昇華させているのだ。そして皮肉な事に、七人の魅力を引き立てる事に成功しているからこそ、メインとなるアクションシーンが大いに生きてくるのである。

さて、三国志小説をみてみよう。
三国志を小説化した場合、その主題の多くは戦闘であり、多くのスーパーヒーロー達が活躍する、勝った負けたの作品となる。武と武、勇と勇が会し、どちらが上かを競う。清廉なヒーローグループが、悪の大軍団に寡兵で勝ち、読者は爽快感を得る。
これは、古い西部劇の構造とそっくりでは無いだろうか?

無論、戦闘シーンがまるでなければ、三国志としてはあまり高い評価はできぬだろうし、そればかりの構成でも面白い作品は多くあるだろう。何といっても僕自身が三国志の小説化を、ミリタリー小説の一ジャンルと捕らえている位であるから、戦闘に関わらないシーンは極力落としたいと考えている位だ。
しかし、である。
「荒野の七人」では、何故ああまでアクションシーンが生きてきたのであろうか。と、僕はそこを考える。
僕は、主人公の弱点が、「寡兵である事」というばかりの三国志小説は、他の方に譲ろうと思う。
僕自身は、新しいチャレンジをしたい。

荒野の七人〈特別編〉

「荒野の七人」以前の西部劇をここでは非難しているようでですが、ジョン・フォードの騎兵隊三部作(特に「黄色いリボン」)などは大好きですよ。

投稿者 strap : 2005年06月18日 11:33

コメント

こんにちは。
荒野の七人ですか・・・あれって確か黒澤監督の七人の侍に影響を受けて作られたらしいですね。
自分自身この映画はみたことはないのですがいつかレンタルしてみようかな?
話変わりますが勝手ながらリンクのほうさせて頂きましたのでご了承下さい。

投稿者 Maxim : 2005年06月20日 12:22

ビデオ、dvd。お好きな方をお貸ししますよ。

投稿者 ストラップ : 2005年06月20日 12:30

DVD借りたいなぁ~^^

投稿者 Maxim : 2005年06月24日 00:13

では明後日伺います。

投稿者 ストラップ : 2005年06月24日 23:45

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