三国志小説論
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2005年06月04日

男のロマン、少年の夢  超兵器

といえば、やはり「パラボラ兵器」「履帯駆動」「衝角」の三点セットだと思ういます。他にも「巨大挟み」だとか、「大砲」だとか、とにかく普通には目に出来ない「超」兵器にあこがれます。大学生の時書いた小説の内三本は、パラボラ兵器が登場するSFです。
「シュトルムティーガー」などは、38糎のロケット砲(元は沿岸砲)という巨砲だけでなく、完成車両が十八両しか無いという逸話や、使用弾薬(の炸薬部に)に「危険!衝撃注意。水に濡らすな」と書かれていた事、カッコいい名前、圧倒的破壊力‥‥‥と、男の子憧れの兵器です。
飛行機で言えば、中島飛行製作所の、軸流式ターボジェットエンジンを使用した試作特殊攻撃機「橘花」などが皆が好きな兵器でしょうね。
軍艦で言えば、初の実戦の為の航海で奮戦し遂には沈む「ビスマルク」などがあげられるでしょう。この船は初戦で、敵の砲弾が命中しても全く損傷を受けなかったにも拘らず、自身の砲撃の衝撃でセンサーが壊れるという不具合をおこした(この時フッドを撃沈し、プリンス・オブ・ウェールズに浸水の被害を与えた)、という逸話はあまりに有名です。それが原因で最後にはキング・ジョージV世ら数隻に砲弾を浴びせられ、ブレストの西方650粁、海底4,700米に沈みました。又、ラプラタ沖海戦の主役「アトミラル・グラーフ・シュペー」などがあげられるでしょう。
映画の世界で言えば、東宝映画の「地球防衛軍」に出てくる兵器群があります。特にマーカライトジャイロで輸送されるマーカライトファープなどは「巨大」というだけでなく、「ロケット」、「空輸」、「分離」、「空中投下」、「落下傘」、「三脚」、「履帯駆動」、「パラボラ兵器」と、キーワードがメンタンピン状態です。空中戦艦第二β号もカッコよく、これが伊福部マーチで大活躍する訳ですから、ちびっ子には堪りません。

三国志を読んでいても、陳倉城攻防戦などを読めばわかる様に、巨大兵器が登場します。

その中でも僕が好きな兵器があります。
作品では没にした文章をここに紹介します。

臣、裴松之が調べたところによると、太祖の軍で量産実用化された発石車が本格的に実戦投入された最も古い記録は、建安五年、官渡においての戦闘に確認できる。太祖の陣を攻撃する為に袁紹は、盛土の山を作らせ、その後ろに高楼を立て、そこから弩で射かけさせた。当初、盛土の山が邪魔で櫓を攻める事ができず、太祖の軍は苦戦したが、先行量産型の発石車によって、高楼を一つ残らず撃破し、これを退けた。櫓をことごとく打ち砕いた発石車を見て袁紹の軍勢は、「霹靂車」と名付け恐れたという。
私の呂布シリーズでは、三部ともに登場しますよ。

投稿者 strap : 00:51 | コメント (0)

小説上の表現

僕の作品での初登場は、こんな具合でした。

と、その直後、曹洪が号令を下し、石弾が空を飛んだ。石弾は風を切る高い大きな音を発てながら、驚く程の速度で、敵の中校左よりへと、緩やかな放物曲線を描き向かった。そして。
そして、激しい地鳴りと、空気を揺さぶる震動、天高く舞い上がる土煙。
兵馬の足音、鎧の鳴る音、人を突き刺す音、死者が地に崩れる音、馬の嘶き、人の怒号。戦場のありとあらゆる全ての音をかき消し、場を石弾の落下音が支配した。足の裏から伝わる地の震え。轟々とした落下音。視界を完全に奪う土埃。一瞬、どちらの陣営の兵も、何が起きたのか理解できず、茫然とした。
騎兵の突入、突鎗の密集陣、弩弓兵の集中射撃。それらと、砲の攻撃とは、まるで次元が違った。それは最早、戦闘と呼ぶべき物では無い。
一拍の間を置いて、両陣営の軍馬が駭き激しく暴れ始め、そしてそこで始めて正気にかえる。黄巾賊は曹操軍の新兵器と気付き、浮き足立つ者も出始める。敵陣落下地点付近は、完全に混乱しており、賊達は押し合いながら、その場から離れようと逃げだした。そして対照的に曹操軍は、戦意高揚する。守城の際陳宮は、壁からより大きな質量の馬の死体を落とした事が数度あるが、これ程大きな効果は得られた事は、今迄一度も無い。
まるで、河に投げ込んだ石が波紋を描くのを視るかの様な錯角を与えた。黄色い列が、石弾の落下点を中心に、綺麗な円を描き空洞化していく。
イメージ的にはまるっきり榴弾砲ですね。三部作では超兵器として、曹操軍の畏怖の象徴を勤めます。実に素敵な兵器です。ちなみに作中の秘匿名は「塔」です(笑)

もっとも初登場の前に

「実験中の例の塔を無理矢理引っ張り出すのでしょうが、残念ながら未だ、賊と当方とには戦力差が有り過ぎます」
と、彼我の戦力差を陳宮が懸念するシーンが、その前に潜入されていますが。

投稿者 strap : 03:14 | コメント (0)

重量感

文章においても、重量感をだすというのは、とても難しい事です。僕の作品での発石車は、この様に出てきます。

「もう見えているぞ。あれだ! 」
と、勢い良く右手で前方を指差した。
関羽は夏侯惇が差す右前方を返り見る。そこには二つの木製の塔が立っていた。関羽は驚き凝視する。
「あれが。あれが新兵器か! 」
「うむ。炎の雨をも降らせる塔だ。十年の時を掛け、やっと実用化に到った。今日俺が視察すれば、直ぐ様官渡に送られる」
関羽は話には聞いた事があった。併し実物を視るのはこれが初めてだ。噂が真実ならば、初平三年に一度だけ、この兵器は使われた筈である。その時は二射目に耐えきれず、轟音と共に崩れ落ち、多くの兵がこの兵器の下敷きになり死んだと云う。関羽はこれを、荒誕にして無稽な与太話だとばかり考えていた。併し今現実に、己の前にその姿が在るのである。一度使われたか否かは兎も角、実在はしていたのだ。
「何と巨大な! 」
思わずも感歎の声が洩れて了う。圧倒的存在感の巨大な塔が二基、聳え立っている。
「これは先行量産型の二基だよ」
誇らし気な声で夏侯惇は説明した。
こんな感じで如何でしょうか?

僕は三部作を書いているのですが、その中で発石車は、
第一部では「未完の最終兵器」
第二部では「戦況を大きく動かす新兵器」
第三部では「老朽化した、時代遅れの決戦兵器」
として、その全てで圧倒的破壊力を発揮させています。

投稿者 strap : 08:01 | コメント (0)

2005年06月26日

砲兵へのこだわり

三国志小説を書く時、僕にとって発石車は特別な存在です。これは発石車カテゴリーを見て戴ければご理解戴けるでしょう。
今まで自分が何故、こうまで発石車に拘るのか考えた事もありませんでしたが、今日ふと思い当たったので、それを書いてみようと思います。

我が町で語られる多くの逸話の一つに、高台の高射砲(詳細不明。2サンチ砲か?高射機銃の可能性あり)があります。
大戦の末期。我が町上空を飛ぶ敵機(恐らく米軍機)を、その高射砲が叩き落したという逸話です。
これは我が町の誇りの一つであり、老人達は皆、当時の興奮を語ってくれます。小学校の校長も、少年時代に見たその高射砲の一線を頼もしく思ったと、全校朝礼で語ってくれた事がありました。
そういう訳で、僕は土地柄、高射砲を好きだったのだと思います。高射砲というのは、砲の一カテゴリーですから、砲を好きになる下地がこの時形成されたのかも知れません。

中学生に入った時、対空砲を対戦車砲にした88mm砲Flak36を知り、leFH18(10.5cm leFH18 榴弾砲)、sFH18(15cm18型重榴弾砲)と興通常の流れで味を持つ。その後、マジノ要塞攻略用にクルップ社が考案し、マインシュタイン元帥指揮下のもとセバストーポリ要塞攻略作戦などで活躍した800mm列車砲に興味を持つ。
大学に入り、三号線を牽引される第四特科連隊、第八特科連隊の155mm榴弾砲(FH-70)に興奮する。

まぁ上記の様な流れで、高射砲派から野戦砲に移っていったのだと考えます。
発石車への異常な愛情は、牽引式榴弾砲への深い憧れの代償機制だったのですね(笑)

投稿者 strap : 20:58

2007年08月25日

800mm列車砲

以前、砲兵へのこだわりと題したエントリーで紹介した800mm列車砲の動画をニコニコ動画で見つけたので、紹介しておく。

僕の三国志小説作品での、発石車(霹靂車)のイメージである(飽くまでも「現代的な感覚で言うと、これ位凄い兵器なんだ!」という意味)。
発石車は、「袁曹官渡にて相対す」という掌編にも登場させた。

投稿者 strap : 02:25 | コメント (0)

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