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三国志小説論

 黄初二年。曹操が死に、曹丕が皇帝を名乗ると、大行皇帝陛下は一時曹丕に諸侯の礼を仮に取られた。この為に于将軍は、魏に帰される事となった。

 于将軍は喜び魏に帰ったが、矢張りそこでも已む無い降伏を詰られたという。于将軍は帰国の後、多くの心無い辱めを受け、それに憤り、その為病を発症し、死去されたと聞いている。我が軍との架け橋になれたかも知れぬ人物であった事を考慮せずとも、残念な事だと思う。

 将軍は帰国の際、初めて私に笑顔を見せてくれた。今ではそれも懐かしい。

 于将軍は募り積もった故国に帰り、何を思ったのであろうか。

 私には想像する事しか出来ない。